t-hom’s diary

主にVBAネタを扱っているブログ…とも言えなくなってきたこの頃。

VBAの研究・考察

VBA シートと不可分のマクロはシートモジュールに書くとスッキリする

VBAの書籍を見ていると、だいたい標準モジュールにマクロを書くように指示されている。マクロの記録で保存されるのが標準モジュールということもその理由かもしれないし、そもそも「標準」という名前が「ふつうはここに書け」という指示に見えるのかもしれな…

VBAの特徴について ~歴史、利用者層、サポートするパラダイムと型付けの作法など

これまでVBAについて色々記事を書いてきたけれど、VBAってそもそもどんな言語なのか、自分が学んできたことを整理する意味でひととおり書いておこうと思う。 VBAの歴史をざっくりと説明 VBAの祖先はアメリカのダートマス大学で作られたBASICという教育用言語…

VBA モデル化の概念を理解すると、クラスモジュールの使い方が分かる

クラスモジュールを使いこなすためには、モデル化という概念をおさえておくと分かりやすい。しかしいきなりモデル化といわれても何のことかわからないと思うので、順を追って説明していく。まずプログラミングにおけるモデル化の話をする前に、モデルという…

VBA オブジェクト変数の宣言時にNewすると何がまずいのか

オブジェクト変数の宣言と使用については、以下の2パターンが存在する。■パターン1 宣言と同時にNewしてしまう方法 Dim C As New Collection■パターン2 宣言とオブジェクトのSetを分ける方法 Dim C As Collection Set C = New Collection私はこれまで大体の…

VBA 配列とコレクションの違いをメモリ上のデータ構造から理解する

VBAでは複数データを格納できるデータ型として、配列とコレクションがある。 それぞれ一長一短あり、どちらが優れているというものではないのだが、どちらかといえばデータの追加・削除が簡単に行えるコレクションのほうが使い勝手は良いかもしれない。さて…

VBA なぜ引数が一つのときは、カッコを付けても付けなくてもプロシージャを呼び出せるのか

初心者の方はプロシージャ呼び出しの時にカッコを付けるかどうか迷う方もいると思う。基本ルールは、Callを書く場合と、戻り値を利用する場合にカッコを付け、それ以外では付けてはいけないである。以下のように、不要なカッコを付けると、コンパイラに叱ら…

VBA Cellsの正体は、全セルを包むRangeオブジェクトである

セルを行・列の数値で指定するCellsはRangeと並んで基礎中の基礎であるが、その正体を知る者は少ない。まあ別に知ったところで使い方が変わるわけではないのだが、知っておいて損になるものではないので紹介しよう。今回も評価という用語を用いるので、意味…

VBA Sheetsの後にドットを入れても入力候補の自動補完がされない理由

'============▼2016/5/31追記▼============Worksheetsオブジェクトは存在しないと書きましたが、Microsoft MVPの伊藤さんから誤りを指摘いただいたので修正しました。伊藤さん、ありがとうございます。【参考】 http://www.relief.jp/itnote/archives/excel-…

VBA 参照設定とCreateObjectは全く別の経路でオブジェクトを参照する。

昨日以下の記事を書いた。 thom.hateblo.jp要約すると、レジストリのHKEY_CLASSES_ROOT直下にプログラムID(InternetExplorer.Application等)のキーがあり、その下のCLSIDにGUIDが入っているのでそれをまたレジストリから辿ると、TypeLibを辿れるというもの。…

VBA ReDimはなぜ最後の次元だけしか拡張できないのか。

多次元の動的配列を作ることがある。コードはこういう感じだ。 Dim Arr() As Byte ReDim Arr(1 To 3, 1 To 3) 最初のReDimは拡張というよりは初期化なので、これはうまくいく。3×3のサイズの配列なので、イメージとしてはこんな感じだろうか。 ところでこの…

VBA Set Obj = Nothing は必要か

オブジェクト変数を使い終わった後、必ず変数にNothingをセットしているコードが多いが、実はあれは別に無くても良い。Nothingを代入することでオブジェクトが破棄されると思っている方も多いと思うが、厳密には違う。オブジェクトの破棄のタイミングは、オ…

VBA 巨大な表を配列に入れるとメモリはどうなるのかという心配について

以前このブログでも紹介したが、セル範囲と2次元配列は相互に変換できる。thom.hateblo.jpたとえばこんな風に。 Sub セルから配列へ() Dim Arr() As Variant Arr = Range("A1:Z100") End Sub Sub 配列からセルへ() Dim Arr(1 To 100, 1 To 26) As Variant Ra…

VBA Newキーワードの使い方は2種類だけではない。 ~ With New Objectという使い方。

オブジェクトを扱うときに登場するNewキーワード。おそらく以下の2種類の使い方が一般的かと思う。まずは、変数へ新規インスタンスをセットする際に使うNew。 (以下のObjectには任意のオブジェクトが入る。例:Collection) Dim obj As Object Set obj = New O…

VBA ジョージ・ブールとIf文とBoolean

VBAのBoolean型は、由来をたどれば数学者ジョージ・ブールの名前である。 ある意味、この方のおかけで今のIf文があるといっても過言ではない。Googleのトップページで知ったのだが、今日はブールさんの生誕200周年らしい。おめでとうございます。以下Wikiped…

VBA 改行コードにまつわる話 ~vbCrLfとは

VBAで文字列を改行する方法はいくつかあるが、ネットのサンプルなどで一番多いのはvbCrLfだろう。Wikipediaによると、CrLfとはタイプライター時代の用語(キャリッジリターン・ラインフィード)の略らしい。 タイプライターはタイプするたびに印字装置が左か…

VBA コードの抽象度とは

具体的、抽象的という言葉について 一般的には、「具体的でわかりやすい」とか、「抽象的でわかりにくい」という使い方をする。具体的でわかりづらい、抽象的でわかりやすいと言われても、「は?」と思う方が大半だろう。ただプログラミングのような緻密な作…

VBA LetとSetとCallとカッコ

過去記事で、すべての行はステートメントであり、省略せずに書くとLetやCallが付くことを説明した。thom.hateblo.jpLetについてはプロパティプロシージャでの使用が大半で、代入にわざわざ書いている人はあまり見たことが無い。 Subプロシージャ呼び出しの場…

VBAの本体はどこにあるのか

今回も雑学ネタ。特に役立つ話ではない。以前からVBAの正体が気になって仕方がなかったが、昨日ようやくその正体を突き止めたので書き留めておく。まず、VBエディタのツールから参照設定をすると、そこにVBAがいる。 VBAへの参照設定はどうやっても外すこと…

VBA 0.1 + 0.2 = 0.3にならない。

この記事の元ネタはVB.NETやC#に関してのもの。 「どぼん!」さんのサイト「DOBON.NET プログラミング道」で見つけた。 小数(浮動小数点数型)の計算が思った結果にならない理由と解決法、Decimal型はいつ使うか?: .NET Tips: C#, VB.NET最初、「えっ?こ…

VBA 指数表記と誤差

【注意】この記事は推測を含み、事実とは異なる可能性があります。とあるブログ(既に閉鎖)で、Exp関数に1を与えてi乗してLogを取ると、iが8と16のときに不一致になるとの報告があった。 数学的には、一致するはずである。これは面白い発見だ。実際に検証して…

VBA 関数呼び出しの際、Variant型の仮引数に別型の実引数を参照渡しするとメモリアドレスが変わってしまう事象

以下の記事で、ByRef x As VariantにLongやStringなどの別の型を渡すとメモリアドレスが変わるとの紹介が。 mmyymmdd.hatenablog.com前回私が書いた記事もそこがネックだった。 thom.hateblo.jpさて、この事象について、色々試していたら原因が見えてきたの…

VBA IntegerはLongよりパフォーマンスが悪い

ついさっき知った事であるが、VBAにおいては、Integer型を使うパフォーマンス上のメリットは皆無のようだ以下、MSDN 整数型、長整数型、およびバイト型 最近の VBA のバージョンでは、データ型が整数型と指定されている場合であっても、すべての整数値が長整…

VBAでは少数を完璧に計算することが出来ない ~ アドホックな回避策と正しい回避策

「VBAでは」と書いたが、これはどの言語にも言える話。発端は以下のツイート。子供たちには伸び伸び育ってほしいが、1から0.001を千回引いても0にならないからといって適当なアドホック実装入れて無理やり0にするような大人にだけはなってほしくない。— 加藤…

VBA なぜParamArrayは参照渡しできないのか

今回はタイトルの問いに対し、根本回答が見つかっていない。 一応、分かる範囲で検証してみたのでその結果報告である。 背景 mmYYmmddさんがメモリ効率に関して記事を書いてくれたので確認。 qiita.comなるほど、C++を経由してポインタでSwapする手があった…

VBA Now関数は実はFunctionではなくPropertyとして定義されている その2

先ほど以下の記事を投稿したばかりであるが、ひとつ勘違いが判明したので訂正記事。 thom.hateblo.jp Now()はDateTimeクラスのプロパティと書いたが、そもそもDateTimeはクラスではなくてただのモジュールだったようだ。「オブジェクトブラウザ」は、その名…

VBA Now関数は実はFunctionではなくPropertyとして定義されている

VBAのNowは、結論から言えば、MSDNに関数と表記があるので、関数と呼んで良いのだろう。文字列と日付の操作:VBAのヒントとコツ VBA では、現在の日付や時刻を正確に調べるための関数として Now、Date、Time の 3 つの関数が提供されています。Now 関数は、D…

Excel VBAのRangeは、実はVBAの命令ではない

今回は雑学的な話。 しかも間違ってるかもしれないので、鵜呑みにせずあくまで一つの仮説として読んで欲しい。私が超初心者のころは、よくある勘違いとして、マクロの記録機能をマクロだと思っていた。でも今回はそんな勘違いの話ではない。一般的なマクロと…

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