本屋でこれを立ち読みしてきた。
Excel VBAをはじめるまえに絶対知っておきたい「マクロ」の本
- 作者: 大村あつし
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2014/11/26
- メディア: 大型本
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この本の「はじめに」で書かれた趣旨は次のとおりである。
「世に出版されているVBA本はマクロの記録がほんの紹介程度で、変数とか制御構文にかなりページを割いている。ユーザーのニーズはマクロの記録なのに、売り手がVBAを押しつけている。それはC言語の学習法であって、VBAの学習はまずしっかりマクロの記録を学習することからだ。Excelの日常業務を自動化するには、マクロの記録だけ覚えれば充分で、その先は興味のある方だけがやれば良い。」
※引用ではありませんので、原文そのままではありません。
私の意見「マクロの記録こそがVBA初心者をつまずかせる最大の原因で、最初に紹介するべきではない。」とは真っ向から対立している。
だからこそ読む前は期待していた。
なんせ著者は私がオススメする書籍「かんたんプログラミング Excel 2010 VBA」を書いた大村さんである。
マクロの記録だけで本当に業務の自動化ができるような画期的なアイデアが詰め込まれていて、良い意味で私の考えを覆してくれるのだろうと思っていた。
しかし、
この本は正直言って期待はずれだった。
これまでの書籍で書かれているマクロの記録方法を、さらに詳しく説明しているだけである。それも全体の3/1程度のもので、あとは記録マクロをVBEでいじる話と、結局、VBAもやってみよう的な内容にページを割いてあるが、コンセプトが「マクロの記録」なだけにVBAの解説も中途半端に感じられた。
肝心の、「なぜ記録マクロで充分か」の説明が無く、マクロの記録手順とその編集手順に終始している点は他の入門書籍となんら変わりは無い。
記録マクロは確かに同一の操作を再現してくれるが、同じデータを元に同じ結果を再現したいだけなら結果を「ファイルの保存」で充分なのである。あえてマクロにさせる必要はない。この条件のときはこうして欲しいとか、この操作を繰り返して欲しいとか、なんらかの制御があって初めてマクロ化する意味がある。
おそらく筆者もそんなことは充分承知のうえで、「マクロ記録ならなんとかなりそう」という層をうまくVBAの方に誘導したかったんじゃないかと思う。マクロの記録をやるつもりが、だまされていつの間にかVBAをやっていたという人が出てきたらこの本の狙いはアタリなのかもしれない。
ただ、ちょっとこれは「はじめに」と内容のギャップが大きすぎる。「やっぱりマクロの記録じゃダメじゃない。やーめたっ」となる方が多い気がする。
ということで、オススメはやはりこちらである。
かんたんプログラミング Excel 2010 VBA 基礎編
- 作者: 大村あつし
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2011/10/21
- メディア: 大型本
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同じ筆者で、マクロの記録から始めるという所は同じであるが、内容はこちらのほうが濃いしAmazonでの評価も高い。