t-hom’s diary

主にVBAネタを扱っているブログ…とも言えなくなってきたこの頃。

VBA WSHとScriptingに存在するFileSystemObjectは同一のバイナリーであることが判明

VBエディタから参照設定で「Windows Script Host Object Model」と、「Microsoft Scripting Runtime」の両方にチェックを入れると、どちらのライブラリにもFileSystemObjectが存在する。
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今回はこの2つが同じものなのか、それとも別物なのかを検証してみた。

発端は、いみひとさんのツイート。

実は私も以前から気にはなってたのだけど、ライブラリが違う以上別物だと思っていた。

Windows Script Host Object Modelの本体はC:\Windows\system32\wshom.ocxである。
一方で、Microsoft Scripting Runtimeの本体はC:\Windows\system32\scrrun.dllである。

まったく同じ機能を備えた、完全な同等品、しかし参照先のバイナリーが違う以上は別物だろうと結論づけていたのだが、相互に代入できるとなってはやはり気になる。

ちなみにこれらのオブジェクトはComponent Object Model(COM)という技術で作成されており、その実態はインターフェースの塊らしい。FileSystemObject型が単なるインターフェースであれば、異なるバイナリーを代入できてもなんら不思議なことではない。

さて、どうしたものかと思ったところで、以前以下の記事でやったファイルを一時的にリネームするという強引な手段を思い出した。
thom.hateblo.jp

そして今回もscrrun.dllをリネームすれば、Scripting.FileSystemObjectが利用できなくなるはず。

それで、実際に試した結果、Scripting.FileSystemObjectに加えてIWshRuntimeLibrary.FileSystemObjectまでもが利用できなくなった。

ということは、WSHのFileSystemObjectは実質scrrun.dllに依存しているということになる。

つまり、この2つのFileSystemObjectは同一ということになる。

WSHを参照設定しているなら、FileSystemObjectを使うためだけにわざわざScriptingを追加で参照設定する必要は無く、IWshRuntimeLibrary内のFileSystemObjectを利用すれば良いということかな。

まぁただ、IWshRuntimeLibrary.FileSystemObjectはなじみが薄いので、私はあえて重複と知ってもScriptingを参照すると思う。。

両方参照している場合、どちらのライブラリのものかはっきりさせるために変数宣言やNewの時にライブラリ名から指定すべきと考えていたが、VBAがどう解釈しようと同じバイナリを指すのだから、これは別にどっちでもいいってことになる。


ちなみにバイナリーってそもそも何?という型はこちら参照。
thom.hateblo.jp

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