在宅勤務で受電時に瞬時にミュートできるスイッチを作ったので紹介しようと思う。
実際のモノはこんな感じで、だいたいマウスくらいのサイズ。ミュート中はLEDが赤く点滅する。
なんでこんなものを作ったのか
私の自宅では定刻になったらラズパイが可愛らしい音声で食事や家事や運動や勉強を促してくれるガイダンスシステムを導入している。
それによってあらかじめ設計した生活リズムをキープしているのだが、在宅勤務だと残業で電話会議している最中に音声ガイダンスが発動するのでそれを黙らせるためだ。
黙らせるだけならラズパイ側でミュートしておけば良いんだけど、問題はミュートしたことを忘れて音声ガイダンスがずっと無効化されてしまうので、ミュート中はミュートであることをアピールするようなスイッチが欲しかった。
以上が作成の経緯。
まぁ他にも資料作成中なんかは音楽をかけたほうが仕事がはかどったりするので、その時に受電したら瞬時にミュートするという用途でも使っている。
構造
日本開閉器という会社の4極単投スイッチ(型番 S-41-J)を使用している。
これはON時に4回路が同時につながり、OFF時に4回路が切れるタイプ。
以下がデータシート
1-3, 7-9, 4-6, 10-12という表記はどの接点が繋がるかを表し、これを図示するとこうなる。
ちなみに2, 8, 5, 11の接点はこのスイッチにはなく、同シリーズのS-42-Jという型番用である。実はそっちを買えばもっとシンプルにできたことを知って結局買いなおしたのだが、まだ届いてないのでとりあえずS-41-Jで作った。
接続図
3.5ミリ ステレオ3極ジャックのケーブルの中身はL線とR線とグランド線になってるので、ミュートの仕組み自体は単純に音声ケーブルの各端子をスイッチにつないでるだけのシンプルなもの。
以下のサイトを参考にしたんだけど、接続をよく見てなくて、単純にON・OFFだと思いこんでた。
実際にはL線とR線をグランド接続することでミュートしてるようだけど、どうするのが正解かよく分からないのでまぁ単純OFFで良いかなと。。
craftsman.gtfm.org
NOT回路の方は電気知識のない私にはややこしかったけど、B-1 論理回路の基本というサイトで予習しつつ、回路シミュレータ―でLEDに流れる電流が適切になるように抵抗値を調整して作成した。
中身
実は閲覧禁止レベルのひどい中身。試作機ということでご容赦を。。
音声ケーブルはスイッチの端子穴に通してねじってるだけ、NOT回路とスイッチの接続はワニ口クリップからブレッドボードへ、USB給電からNOT回路へもワニ口クリップからブレッドボードへ、LEDはジャンプワイヤーのメスに挿してるだけで蓋を開けるたびに抜ける始末。
S-42-Jを利用した改善案
S-42-Jは、日本開閉器の4極双投スイッチである。最初データシートだけ見て意味が分かってなかったので変な風に接続されるのを嫌ってON-OFFスイッチのS-41-Jを買ったんだけど、S-42-Jを使えばNOT回路がそもそも要らないことに気づいた。
図にするとこんな感じ。
箱の中身はブレッドボードが丸ごと消えて、抵抗1個に置き換わるイメージ。
あとは現状の回路だとLEDがOFF時も電力を食うけど、NOT回路をなくして単純スイッチにすればLEDがOFFの間は電力が消費されないのでUSBから給電しなくても乾電池で1か月くらい実用的に動作するかもしれない。ミュートにするのは週に4時間の定例ミーティングと不定期の会議が毎日1~2時間くらい。このあたりもちゃんと計算して改善したい。