今回は英語学習を進めている人にとってモチベーション維持に役立てばということで記事を書いてみようと思う。
日本語コンテンツを貶める意図はないが、実際のところ英語の方が明らかにコンテンツが充実している。
これまでは、単に量の問題だと思っていた。英語話者はネイティブが約3億7千万人、日本語話者は1億2千万人。ネイティブ話者の人口に3倍の開きがある。よって発信される情報量に開きがあり、母数が多いから優れたコンテンツも多いと考えていた。
ただ、最近YouTubeで知識系の動画を見ていて気付いたのが、どうもそれだけではないということ。
なぜか、英語の方が明らかにコンテンツの質が高い。もちろん日本語にも良質なコンテンツは多いが、英語の方は金と時間のかけ方が別次元で明らかにレベルが高い。特に学習系コンテンツ・ドキュメンタリーに関してその違いが顕著に出てくる。
実例を挙げてみようと思う。たとえば電子部品のコンデンサーの動作原理を知りたくて動画を検索した場合、日本語だとだいたいこういった感じでパワポスライドで作ったような動画がヒットする。
youtu.be
対して英語だと、3Dアニメーションにナレーションが付いてかなり分かりやすい説明になっている。
youtu.be
まぁ2022年現在では次のような日本語コンテンツもヒットするので完全にフェアな例とは言えないが、実際のところ以下の動画はもともと英語版から翻訳されたものである。
youtu.be
一例として電子部品を取り上げたが、他の分野でもコンテンツの質に明らかな違いがある。
なぜここまでコンテンツの質に差がつくのか?
日本人が外国人に比べてコンテンツの作成能力に劣っているのだろうか?
同じ人間なんだからそんなことは無いだろう。日本人だって優れたコンテンツクリエイターは山ほどいるはずだ。
そこで色々考えた結果、マーケットの規模がコンテンツの質に大きく影響を与えているのではないかという仮説にたどり着いた。
冒頭で英語と日本語のネイティブの数は3倍の開きがあると書いたが、実は第二言語として英語を話す人口を含めると日本語話者との差は12倍程度に膨れ上がる。
つまり英語でコンテンツを出した場合マーケットの規模が12倍になるので、コンテンツに金と時間をかけてもヒットすれば広告収入によって一瞬でペイできる。しかしこれは競争も12倍激しくなるということを意味するため、生半可なコンテンツでは競争に勝つことができない。したがって必然的にコンテンツの質が上がっていく。
また、ツワモノ揃いの一般的な分野で勝ち上がるのは難しいので、一般的なクリエイターはよりニッチな分野で戦おうとする。つまりこの動機によって、日本語ではそもそも存在しないようなニッチな分野の動画でも英語では普通に存在していたりする。
日本語だといくらクリエイターが優秀でも、割けるリソースで英語には勝てない。コストをかけていくとすぐに採算がとれなくなって破綻するからだ。これはマーケットが小さいせいであって、個人の力量とはまったく別の話である。
これは動画に限った話ではなく、書籍でもWebサイトでもビジネスソフトウェアでも同じことが起きている。
エンタメ分野はターゲットが広いので、日本でも十分なマーケットが確保できる。ゲームでも海外でヒットした面白いものは日本語ローカライズが進みやすい。
ただターゲットが絞られるより専門的な分野では日本マーケットでコストをペイできず、和訳されないことが多い。
先ほど個人の力量とは関係ないと書いたが、実際のところ英語で何かを学ぶ場合と日本語で何かを学ぶ場合、得られる情報量や質に大きなハンデキャップがあるので、やはり英語話者の方がスキルが高くなる傾向はあると思われる。
同じ分野でも英語話者が良く工夫された上質なコンテンツで楽しく学習している間、日本語話者が難解な文章に顔をしかめながら学習し、途中で投げ出してしまうなんてことも日常的に発生しているはずだ。
このように英語が有利な状況は今後ますます加速する。
最近以下の動画で知った言葉に「ネットワーク効果」というものがある。
youtu.be
これは利便性が利用者数に依存する現象で、みんなが使っているから更に使う人が増えるという現象を指す。
英語はこのネットワーク効果によってすでに覇権を取ったので、人類が滅ぶか、より大きな宇宙文明に遭遇するまではこの状況は加速する。
さて、ここまで書いてきたけど、だから皆さん英語を勉強しましょうなどと言うつもりはない。
実際日本で生活していて英語が話せなくて困るシチュエーションというのはそんなにないし、日本語話者のマーケットだっていうほど小さい訳ではない。
あくまでこの記事は英語学習を進めている人のモチベーション維持や、英語学習を始めようか悩んでいる人の背中を押すために書いた。
英語を学んだ先には無料で、あるいは安くて、面白くて上質なコンテンツが沢山ある。
英語は上質なコンテンツへアクセスするためのパスポートである。
と、タイトルを回収したところで今回の記事は終わろうと思う。