t-hom’s diary

主にVBAネタを扱っているブログ…とも言えなくなってきたこの頃。

オシロスコープとアースの話

前回の記事でオシロスコープを買った話をしたんだけど、部屋を少し片づけて置く場所ができたのでお披露目。

これはちょうど交流100Vを計っているところ。綺麗なサインカーブが観測できた。

さてさくっと書いているけども、オシロで100Vを計るのは実は結構リスクの高い行為で、ちゃんとした知識に基づいて行わないと感電・ブレーカーダウン・機器の破損に繋がる。いや、マジで簡単にそうなる。

よく聞いてほしい。繋がりかねないとか、そういうよくある注意書きではない。確実に繋がる。


運が悪ければとかそういう話ではなく、

間違うと

絶対的な確率で

直ちにヤバいことが起きる。

それでもやりたい方は、この動画だけは必ず是非みるべし。
youtu.be

早い話が、アースをちゃんと繋げってこと。
それでも間違うとブレーカー落ちたりするんだけど、感電事故より100倍マシ。

なお、質問サイト等の情報はあまりアテにならないので注意。
技術をよく分かってない人がポイント欲しさに知ったかぶりをして適当なことを書いて、それがたとえ間違ってて、実は危険なやり方であっても、話はシンプルで分かりやすいからベストアンサー取れてしまうので、マジで危ない。ついでにこのブログの情報も鵜呑みにしない方が良い。素人である。マジで危ない。あくまで一次情報に当たるための踏み台にしてほしい。


さてところで最近の家電、アースなんてほとんどしてないって人が多いんじゃないだろうか。うちもエアコンコンセントの付近にアースが無いので仕方なくアース無しで使っているけど、アース無しコンセントが増えてきた背景としてケースが金属からプラスチック製に変わってきているので以前よりは感電リスクが下がっているということも理由のひとつに挙げられるとどこかで読んだ記憶がある。

ここで少しアースの仕組みについて説明してみる。ポイントだけ理解しやすいようにだいぶ端折るので厳密性についてはツッコミなしでお願いしたい。
まず電柱に張り巡らされた電線には基本的に6600Vがきていて、これが電柱の上にある柱上トランスというポリバケツのような機器で100Vや200Vに降圧されて各家庭に届けられる。

柱状トランスから来る電線はライブとニュートラルの2種類で、コンセントの短い穴がライブ、長い穴がニュートラルとなっている。(電気工事士が痛恨のミスをしてなければ。)そして一部のコンセントにはアースが付いている。

※ブレーカーとか諸々重要な機器を中略の一言で済ませてるので注意。

普通に機器を使う分には電気の流れはこんな感じになる。

この時点ではアースには全く電気が流れていない。

ところが機器の内部で断線や漏水などが発生して金属ケースとショートした場合、ケースを触った人から床や壁伝いに電気が流れ、地面を経由して柱上トランスへ電気が戻っていく回路が出来上がる。これが感電事故である。

機器のアースは金属ケースなどに繋がっていて普段は電気が通るようなものではないが、これをコンセントのアースに繋いでおくと万が一漏電した場合もほとんどの電流は人体より電気を通しやすいアースの方に流れるので感電を免れるという仕組み。

私はこれを理解するのに結構苦労した。なぜなら私が困っていた当時アースについて検索しても大半のサイトでは地面に電気を流すということまでしか書いてない為だ。

いや土だろ?そりゃ湿ってたら多少電気は通すだろう。でもその電気はどこへ行くの??
って長らく疑問だったんだけど、答えは柱上トランスに戻るだった。

そんでアースがかなり電気を通しやすいというのも謎だった。どう考えても金属の方が電気通すよね。土って。

私は肝心なことを忘れていたようだ。土より金属の方が電気を通すのは、電線の径が同じだった場合の話。
材料だけ見れば金属の圧勝だろう。ただ地面を電線と考えたとき、その径は。。12,714キロメートル。どう考えても地上最強の導体。

さて、話をオシロスコープに戻す。

なんでオシロで100Vの計測が危ないかというと、オシロスコープのプローブについているグランドリールがオシロスコープの筐体やアースと短絡しているからである。

こちらがその検証写真。筐体のネジとプローブのグランドリール間は抵抗が0Ω。つまり繋がってる。

てことで誤ってグランドリールとライブを繋げてしまった場合は筐体に100Vが印加されるので、アースコードを繋がずに短絡箇所(ネジなど)を触った場合は感電待ったなし。
ここでアースを繋いでいれば感電は免れるがライブとニュートラルがアース経由でショートするので漏電ブレーカーが落ちる。同じ系統でパソコンとか使ってると一緒に落ちるのでデータ飛んだりして阿鼻叫喚が予想される。

つまり、オシロを使う場合は感電事故防止でアースは必ず接続する。それでも100V商用電源を計る場合はライブとニュートラルを間違えるとブレーカーが落ちる(漏電ブレーカーが機能してなければ火災リスクもある)ので、先ほど紹介した動画では、グランドリールを取っ払ってしまう方法も紹介されていた。

一本で計測しているのは不思議な気分だけど、グランドリールを取り外してもライブ側にプローブを当てればアース経由で回路が形成されてちゃんと100V交流波形が見られる。

似たような話で不思議だったのが検電ドライバー。あれライブ側に差し込むだけで光るんだけど、仕組みとしては人体を導体として使ってアース経由で回路を形成してるらしい。検電ドライバーの抵抗値を高くすることで人体に来る電流を感電に気づかないレベルまで抑制してるとのこと。

少し話が逸れたけども、アースを繋ごうってことでちょっと離れた電子レンジ用のコンセントから洋室の机にある端子台までアースを引っ張ってきた。
アースは単体で触っても普通は問題ない。途中で切れてるとヤバいけど、しっかり繋がってるなら実質地面さわってるのと同じ。そんなんで感電するなら砂浜を裸足で歩くなんてことはできないし。まぁ、(大事なので繰り返し)途中で切れてたらヤバいのでむやみやたらと触りはしない方が良いだろうけど。

ということで交流100Vが観測できたので結構満足した。
折角オシロを使うんだから交流波形っぽいのを見たい。ただまぁ毎回こんな危なっかしいことできないので、ついでにヤフオクでもう一つアイテムを手に入れた。

ファンクションジェネレーターである。

実際に波形の切り替えをしてみてるのがこちらのショート動画。
youtube.com

最初に知った時は何に使うのかよく分からなかったんだけど、とりあえず私の場合はオシロの入門に結構役立ってくれそうだ。

なんでオシロのプローブで繋いでるかというと、同梱のコネクタがかなり年期が入っていてまともに通電しなかった為。

これで結構ハマったんだけど、見た目さび付いてるし真っ先に疑うべきだった。。

ということで100V交流は満足したので以降はファンクションジェネレーターを使って学習を進めていこうと思う。

以上。

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