t-hom’s diary

主にVBAネタを扱っているブログ…とも言えなくなってきたこの頃。

マクロ作成を安請け合いしないという選択

「こんだけVBAの記事を書いておいてよくもまぁ」という声が聞こえてきそうなタイトルである。
しかし安請け合いがよくないというのは常々思っている。

執筆のキッカケになったのはこの記事。
akashi-keirin.hatenablog.com

以下、序文の引用。

最近、

自分には一文の得にもならない、純粋に他人のためのマクロ

を作らされることが多くなって

これを読んで思わず、

。。これ、プログラマーの仕事じゃね?

と突っ込んでしまった。
ここで言ってるのはプログラムを組める人全般のことじゃなくて、プログラムを開発する目的で正式に雇用された正規プログラマーのこと。

どうやらドツボにはまってしまったようだ。

私も似たような経験をしたことがある。ただ私は業務請負の客先常駐という形態で、お客様の組織が何度か大きく変わったので、幸いにも私はリセットする機会があった。しかしあまりマクロ作成を安請け合いしてしまうと確かにそういうことになるというのは良くわかる。

ただ私の考えは上で紹介した記事ほどマクロ作成を請け負うことを忌避しているわけではない。

まずいのはあくまで「安請け合い」であると考える。

本質的な問題は、依頼者が「減るもんじゃあるまいし、ケチなこと言うな」と考えている点だ。

時にマクロを作る側でさえ「減るもんでもないし、できるんだから、やってあげよう」と考えることがある。

「減らない」という考え。

ここにすべての元凶があるのではないだろうか。

そもそも他の皆が自分の好きなことや遊びに費やしている時間を貴方はプログラミングの習得に費やしたのだ。他の皆が自分の好きなことや遊びに費やしている給料の一部を貴方はプログラミングの書籍購入に充てたのだ。

今貴方が手にしているその能力は、すでに自分の時間やお金を費やした結果である。

もちろんそれだけではない。プログラミングというのは頭脳労働なのだ。実際、頭脳労働は気力を消費する。ゲームでも魔法を使うとMPが減るだろう。気力は定量的に計ることはできないけれど、確かに減るのだ。要するに疲れるのだ。

知識や技術、気力という見えないコストをきちんと理解してもらうためには、元手はタダではないと何度も根気よく説明しなければならない。

普段から、「さっさと帰る日は書店に立ち寄って勉強しているのだ」と吹聴しておこう。実際にしている日も、そうでない日も。
依頼仕事が遅れているときは、「昨日家でもいろいろ考えてたけれど、なかなか思うようにできないのだ。もう少し待ってほしい」と詫びておくとよい。実際に苦労していても、完成の目途が立っていても。

私は単に趣味と一致しているのでプログラミングの学習に費やす時間を苦労とは思ってないけど、実際に見えないところにコストがかかってるのは嘘ではないので、「あいつは見えないところで苦労している」という風に見せておかないと、「能力があるのにケチな奴だ」と思われる。

何の努力もせずに評価されないのはともかく、実際にやってるのだから、どんどんアピールして良い。
自慢のためではない。コストを理解してもらうためである。早く帰っても恨まれないためである。

勘違いしてほしくないのは、極力出し惜しみをしろと言いたいわけではない。

私だって毎日の3時間の仕事が5分になるって言うなら喜んで手伝う。それで皆が楽になるなら大したことではない。
価値ある仕事をしたときは、それ自体が心理的報酬になる。

しかし人間はどこまでも楽をしたがる生き物である。
「マクロってすごい。」こんな風に一度魔法を見てしまうと、ひょっとしてあの仕事も楽になるのではないかと次々とアイデアが浮かぶようになる。次第になんでもかんでも自動化したがるようになる。たとえ、ひと月に1度、30分で終わる仕事であっても。

その自動化は、自分が費やしてきたもの・これから費やすであろうものに見合った価値ある仕事だろうか。
傍から見てそれほど大変な仕事に見えない場合、単に依頼者が楽をしたいために貴方に甘えているだけかもしれない。
何でもかんでも引き受けるわけではないと、お断りしたほうが良い。あるいは自分の抱えている別の仕事と引き換えに引き受けるという手もある。

いずれにしても、つまらない仕事は安請け合いしないことである。請ければ依頼人は喜ぶが、貴方は内心つまらないと思っているのでイライラする。精神的にもよくないし、そのような仕事はたぶん、ビジネス的にも特にメリットはない。

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