今回はプログラミングと直接関係ある話ではないけれど、VBプログラマー向けに書いた。
実は最近、法律に興味があって少し勉強中。(仕事にする気は無いが何かと役に立つので)
それで初めて知ったのだが、「または」と「もしくは」には厳密な使い分けが存在するらしい。
法律用語として厳密には漢字で「又は、若しくは」と書くのが正しいので以下はそのように書く。
たとえば、こんな条文があったとしよう。
A,B,C又はD若しくはE若しくはFの場合、XはG若しくはHまたはIと見做す。
これはたとえばVBのコードで書くとこうなる。
If A or B or C or (D or E or F) Then X = (G or H) or I End If
※orはVB的にはOrですが、項目とのメリハリをつけるためにわざと小文字で書いてます。
どちらもorなんだけれど、「又は」の方が大きなグループ分けになる。
さらに、次のような条文があったとしよう。
A,B,CおよびD並びにEおよびFの場合、XはGと見做す。
これは以下のような意味になる。
If (A and B and C and D) and (E and F) Then X = G End If
つまり、並びには大きなグループの接続に使う。
こういうことを知って、法律用語というのは、慣用の日本語ではなくて厳密に定義されたプログラミング言語に近いんだなという印象を受けた。
最近良い書籍が出版されたので紹介しておく。
- 作者: 品川皓亮,土井真一
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2015/01/29
- メディア: 単行本
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この書籍では「とき、時、場合」の使い分け、「速やかに、遅滞なく、直ちに」の意味と法的拘束力の違い、「不当、不正」の違いなど、紛らわしい用語について明確に説明されている。
また、他にも法律には任意規定と強行規定があることや法律の階層構造などいろいろ興味深い説明がかかれている。
六法全書がソースコードだとすれば、この本はリファレンスである。
(裁判官がインタープリターで、判決が実行結果。弁護士とか被告とかは・・知らない)
自信満々に書いておいて恐縮だけど、上に書いたコードは間違っているかもしれない。気になる人はリファレンスを買って確かめてほしい。もちろん、このページのリンクから。
さて、プログラマーは論理的に物を考えることに長けているので、案外法律なんかも向いているのかもしれない。ただこういう厳密なルールをいくつも頭にたたき込んでおかないとそもそも法律を読んでも解釈できないので、今から法律家目指しますというのは茨の道である。