VBAを覚えてマクロを作れるようになると、業務を手当たり次第自動化したくなるものだ。
しかし安易な自動化は慎むべきかもしれない。
このように考えるようになったのは、以下の記事がきっかけだった。
自動化をどこまで進めるか|会社で役立つリスクマネジメント|社団法人横浜中法人会
長いので私が特に感銘を受けた部分だけを抜粋する。
まず1つ目はこちら。
過度の自動化は人間が持っている「何かおかしい」といったシステムやハードを疑うというプロセスをなくす面も見逃せないし、更に異常時における緊急対応能力を削ぐ
VBAをフル活用すればボタン一つですべて作業が完了してしまうようなフルオートメーションを作ることもできる。しかし行き過ぎた自動化によって業務理解が疎かになってしまってはいざという時に大きなツケを払う羽目になるかもしれない。
2つ目はこちら。
NASA(米国航空宇宙局)では自動化しない仕事として以下の4つを挙げている
●作業者が特有のスキル、生きがいを感じている仕事
●非常に複雑であるとか、理解困難な仕事
●自動化によって作業現場で覚醒水準が低下するような仕事
●自動化が不具合の時、作業者が解決不可能な仕事
これは本当に目からうろこだった。
これまで私は「何を自動化しないか」という観点で考えたことがなかったからだ。
それから私は効率一辺倒だったこれまでの考え方を改め、個別の案件について本当にマクロ化がベストなのかどうか意識するようになった。
もちろん、マクロを作るという結論にいたる場合も多い。
誰もが嫌がる単純作業の繰り返しはコンピューターの得意分野だから迷わずマクロ化するし、人に業務をお願いする際複雑すぎると受け取ってもらえないのでマクロで単純化したりもする。しかしその場合もフルオートではなく、少しは人間が介在する形にしておきたい。
自分が何をやっているのか自覚できなくなるほどの自動化、つまり「よくわからないけどボタンを押してるだけ」というマクロ完全依存は避けたい。
何をマクロ化して、何をマクロ化しないか。その具体的な指針はまだ自分の中でも模索中で固まっていないのだけれど、効率化以外の視点も常に考えながら日々の業務改善に臨みたい。
最後に、VBAを絶賛学習中の方はこの記事は無視して何でもかんでも手当たり次第自動化してみると良い。学習テーマの確保はなかなか難しいので、みすみすチャンスを潰すこともない。
なんでも作れるようになったら、改めてこの問題について考えていただけると良いかなと思う。