t-hom’s diary

主にVBAネタを扱っているブログ…とも言えなくなってきたこの頃。

スリムPCケースとホットスワップ鍵付きHDDベイでプロフェッショナルな見た目のサーバー機を組み立てる

今回はIN WIN社のスリムPCケース IW-CE685/300P とStarTeck.comの簡易鍵付きHDDベイSATSASBP425を使ってなるべく業務用っぽい見た目のサーバー機を組み立ててみた。

ケースはこちら。

※同じ見た目のケースで型番違いも販売されているが、搭載電源の認定がBronzeかPlatinumかの違い。
通常サイズだとどうしてもクライアントPCっぽさが全開になってしまうので理想を言えばデータセンターにあるラックマウントサーバーが良いんだけど、個人での保守性を考えると無理があるのでなるべくスリムで飾り気がなく、横置きできるケースを選定した。

ケースの前面に装着するHDDドライブベイはこちら。

最初はホットスワップに対応したPCケースを見繕っていたんだけどシルバーストーン社くらいしか選択肢がなく、設置場所の都合で諦めた。
このHDDドライブベイは簡易的な鍵付き※で誤って開けてしまうこともなさそうなので完璧。
※付属の鍵でなくても、多分ラジオペンチ等の工具で突起部をつかんで強引に開けることは可能と思われる。破損しそうなのでやってない。指では無理だったのであくまで簡易ロック。

唯一気に入らない点はHDDのアクセスLEDが青色ということ。

そこは緑かオレンジにしてほしかった。青LEDはコンシューマー受けを狙った家電に多く使われていることもあって私が思い描くプロフェッショナルな見た目からは遠ざかる。なんか格好よく見せようとしてる感が鼻につくのだ。
まあでも、その他は理想的なので目をつむろう。見てるうちに慣れてきた気もするし。

サーバー機を新規調達する背景

2022年4月頃に導入した富士通のラックマウントサーバーだが最近フロントパネルの警告ランプが点滅するようになってしまった。
thom.hateblo.jp

修理しようにも機器が特殊すぎて診断のノウハウもないし、保守も切れてるので交換部品が分かったところでオークションの出品を待つことになる。
加えて、ようやく修理できたところで2024年6月には今使っているCentOS 7がサポート切れになり、他にこのハードでまともに動くOSは未確認。
ということで今回思い切って新規調達することにした。また同様のトラブルに備えてなるべく汎用部品で構成するというのが今回のミッションである。

その他の部品

マザーボードはこちらを調達。

コンシューマー向けの基盤は大半が黒に染まってしまった昨今、緑基盤のマザーボードは逆にレアになってしまった。ゲーミングPCでこれはないけど、サーバー用に使う分にはむしろ緑のほうが業務用っぽくて格好いい。Intel 12世代CPUに対応しつつ、緑基盤で今どき珍しいCOMポートが付いているってのが逆にすごい。
ちょっと最近保証問題で炎上騒ぎがあったのでどうかなというところではあったけど、まぁマザーボードメーカーは特定地域に偏ってるのでカスタマー対応にカルチャーがでてしまっているというのが正直な感想。だから本質的にはどこも似たり寄ったりだというのが現状の見立て。

それはいいとして2点気に入らない機能があって、キーボード未接続だと起動時に警告メッセージとビープが鳴ってしまうことと、モニター未接続だと電源LEDがずっと点滅しっぱなしになることだ。キーボード警告はネットで調べながらBIOS上でOFFにする方法を探したけど見つからず、モニター警告のOFFはその他重要な機能のチェックと共通になっているのでOFFにすると故障診断が心配。あくまでパソコン用のメインボードなのでサーバーとしての使われ方は想定されていない。それがネックになった。

仕方がないのでとりあえずVGAダミーを調達して到着待ち。

HDMIダミーのほうがコンパクトだけどなぜか販売品はツヤっとしてて形状も丸みを帯びていかにもコンシューマー向けっぽいので避けた。
そこ、なんでターゲティングミスるかな。そんなマニアチックな商品求める層なんて、飾り気のない業務用志向が強いに決まってるのに。

CPUはCeleron。

Intel 12世代の最弱CPUだがそれだけに消費電力の低さはピカイチ。今回はそんなに計算リソースを使わないけど24h x 365d稼働のファイルサーバー用途なので発熱しにくい点も魅力的。ただ需要が限定的なためか全然流通してないようで価格は高騰しており、同世代のCore i3よりも高い値段での調達となってしまった。

メモリ・SSDはCrucial

メモリやSSDは聞いたことないような企業が沢山あって迷いがち。Crucialはアメリカの大手半導体会社マイクロンが擁するブランドで、値段はピンキリだけど廉価品でも品質に定評があるので迷ったらCrucialでいいと思う。

そしてフロントのHDDベイに付けるのがウエスタンデジタルのBlue。

Raid10を組むため、4本購入した。

本当はWD Red NAS 2.5インチが欲しかったんだけど、Amazonでは在庫切れで再販の目途も不明。HDDは大容量化に柁をきっているせいか2.5インチはSSDが主流で、2.5インチHDDはだんだんと選択肢が限られてきているように感じる。

部品は以上。

組立て

作業に夢中でそんなに写真は取ってなかったけど、マザーボードにM.2 SSD、CPU、リテールクーラー、メモリの順で搭載してケースへ入れて固定したところ。

全体的に緑と黒。ひと昔前はこれをダサイと感じてたんだけど逆にレアになってしまって一周まわってこの飾り気のなさが格好よく見えてくる。

フロントパネルのIOケーブルの取り付けに当たってはLEDの極性が分からなかった※ので念のためテスターのダイオードモードで確認するなど、電子工作の知識が活きる場面もあった。

※まぁケーブルの色通りだろとは思っていて結論その通りだったんだけど、ボードに挿すとLEDと書かれた印字が見えない向きになってしまうのでまさかと思って念のため確認した。

あとケースのフロントパネルケーブルはどんなマザーボードにも適合できるようにバラバラになってるのでそれぞれマザーボードに挿していく作業がすごくイライラする。効率の意味では本末転倒ではあるが、更に面倒くさい中間ケーブルの自作をすることで満足のいく組立になった。

電子工作でおなじみのデュポン端子なので道具やカラーケーブルは一通りそろってる。

極性が無い電源スイッチ・リセットスイッチは同色ケーブル2本で、極性がある電源LED・HDD-LEDはマイナスを白で元のケーブルと合わせた。

満足。あとはマザーボードに挿すだけ。

ただまぁどれだけ綺麗に収めようとしても、裏配線の無いケースではこれくらいが限界だった。

サーバー機の用途

今回組み立てたサーバー機にはAlmaLinux OS 9 を入れてSambaサーバーを動かしている。自宅で使うのにNASではなくあえてファイルサーバーにした理由として、私は多少プログラムが書けるのでLinuxサーバーにしておくことで独自機能を実装できるためだ。

従来サーバーで実装していたのがこちら。

  • 書きこんだデータを自動的に読み取り専用のフォルダーに移動させる簡易WORM(Write Once Read Many)機能
  • ファイルを暗号化してAmazon S3バケットに保管するアーカイブ機能

加えて、今回新たに実装したのがこちら。

  • 一定時間で自動削除されるTempフォルダー
  • ディスクレベルでの暗号化

これはこのあとまた別の記事で紹介したいと思う。

ということで今回はここまで。

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