t-hom’s diary

主にVBAネタを扱っているブログ…とも言えなくなってきたこの頃。

3Dプリントしたケースを表面処理してラッカースプレーで塗装してみた

今回は3Dプリンターで出力したケースにパテで積層跡を埋めてヤスリがけで表面を整え、ラッカースプレーで塗装してみた。

まずは完成品のご紹介。
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対象はこのブログで何度か紹介しているDualShockをマクロキーボードとして使うアダプタのケース。
thom.hateblo.jp

前回書いたとおりDIPスイッチは失敗に終わったのでDipスイッチ用の穴が無いバージョンを印刷した。

この手の作業が初めての割には、とりあえず満足できるレベルに仕上がったと思う。

一方で面によっては厚塗りの影響による液だれが目立つ箇所もある。
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これが干渉を主目的とするプラモとか、他人のために作るものであれば大変残念な仕上がりということになるんだろうけど、自分で使う実用品なのでまぁ合格レベル。
少し手作り感がでてしまったかなという程度である。(と、自分に言い聞かせて面倒なやり直しを避けている。)

購入した道具

何せ塗装作業が初めてだったので、色々調べても結局どれを買えば良いか分からず、お試し用に色々買ってきた。
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これに加え、タミヤの塗装ブースとシゲマツの防毒マスクも購入。
トータルで3万円くらいの出費だったけど、結局使わなかったものもあるのであと数千円は安くできる。
今回は実際に使ったものだけAmazonリンクを張っておこうと思う。

表面処理

これは太陽光で1分、至近距離からの蛍光灯やLEDで2分で硬化するパテ。
シーリングライトでは遠すぎて固まらないのでそんなに急いで作業する必要もなく、とても便利。
ただ、私の場合は積層跡を完全に消し切るほど何度も表面処理を繰り返す根気は無かったのでヤスリだけで良かったかもしれない。

汚れ防止の為の使い捨て手袋。
パテを指で延ばす用途でも使うので伸縮性のあるタイプが使いやすいと思う。
ヘラも買ったんだけど今一つ伸ばしにくいので結局今回のケースでは指パテで充分だった。
もちろん、塗装にも使用する。

この神ヤスはかなり使いやすかった。今回の対象物とサイズ感が合ってるのも使いやすさに寄与していると思う。
普通の耐水ペーパーだと全体に均一に当てるのが難しいけどスポンジの弾力で面全体に圧力がかかるのでむらなくヤスリがけができる。。。とどこかで読みかじったんだけど普通の耐水ペーパーを使ってないので現時点では比較評価はしづらい。もしかしたら普通の耐水ペーパーの方が平面出たりして。。なんて考えてしまうので、次は普通ので試してみようと思う。

今回主に使ったのは以下の3つ。ただ塗装に失敗してやり直す際に#600で削ったのでそちらもちょっと使った。
#120/#240/#400


この工作マットは今回買ったのではなく以前から持っていたもの。
実際にカッティングでの出番は少ないもの、机に傷を付けたくない作業全般で重宝する。

塗装

塗装ブースは室内でスプレー塗装する場合は必須。屋外で段ボール箱の中に向けて塗装するなら別に要らないと思う。
高いけど、ちょうどクレカのポイントが貯まっていたのでヨドバシポイントに交換して買った。

この防毒マスクはあると快適に作業ができる。
これをつけてる間、ラッカースプレーに含まれるシンナー特有の甘い匂いが全くしない。吸収缶はついてこないので別売り。
そこまで気にしない人は模型用品コーナーとかホームセンターに置いてある粉塵用マスクでも良いと思う。

これはプライマーとサーフェイサーの2役をこなすグレー色のスプレー。プラサフと呼ばれる。
プライマーは下地と塗料の密着性を上げて剥がれを防止するもので、サーフェイサーは表面のキメを整えて仕上がりを美しくする為のもの。
材への塗料の浸透を抑えて、塗料をしっかり上に乗せる役割もあるようだ。

コバルトグリーンのツヤあり。

これはペイントベース。
私が買ったものはAmazonに無かったので代替品を紹介。
サイズの違いを除けば、機能的には似たようなものかなと思う。


以上が今回使ったもの。
使わなかったけどよりクオリティをアップさせるのに使えそうなのはコンパウンド・コンパウンドクロス・トップコートスプレーあたり。
今後も使わない可能性が高いという意味で完全に無駄になったのは、ポリエステルパテとパテヘラだけかな。

作業

まずは印刷。3Dプリンターの低面で発生したおこげが目立つ。
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1個印刷するのに約1時間かかるけど、色々失敗するだろうからということで隙間時間に印刷を繰り返した。

次にヤスリがけ。とりあえず一番荒い #120でおこげを落としていく。
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どうせ塗装するので落ち切らなくても良いけど、あまりに汚いままだと臭いものにフタ感がして気になるので。。

次に#240でサラサラっと磨いて、#400でもサラサラっと磨く。
頑張るのは#120だけで、#240と#400は順番に使ってけばそんなに時間かからなかった。

ここで光硬化パテを使用し、また#400で磨く。写真だと分かりづらいけど少し黄ばんでいる。
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パテと磨きを繰り返すとかなり積層跡を消せるらしいんだけど、面倒なので1回で済ませた。

次に塗装。プラサフを吹いたあと30分ほど置いて色を乗せていく。
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この時点でかなり失敗した。
まずプラサフが厚塗り過ぎて液だれ状態。さらに30分乾燥させることなくそのまま塗装に入ってしまった。

液だれするほど塗料がのってるので乾燥にも時間がかかり、乾いたあともこのとおり液体感が出てしまってる。
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薄塗りを重ねると綺麗に塗装できるという知識はあったけど、どうやったら薄塗りになるのか分かってなかった。。

これを#600番で下地が一部見えるほど削ってテイク2。9割は塗料乗ったままなのでサフ無しで色を重ねていく。

今度は良い感じ。(この面は)
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2度やってみて少しコツがつかめた。まず対象物から20cm離すという注意書きを舐めてはいけない。スプレーは霧で塗装するので近すぎると十分拡散されずに液で塗装している感じになる。逆に離れすぎると付着する前に乾燥してしまい、粒感がでて表面がザラつくらしい。
また、スプレーをシュっと移動させながら吹き付けることで一個所に付着する量を減らして薄塗りする。これを繰り返すことで綺麗な塗装になるようだ。

また、角に塗料が不足しがちなので、面よりも角から順に攻めた方が良いらしい。
面が十分塗れたあとに角を塗ると、余分な塗料が面について厚塗りになってしまうためだとか。

シンナー臭について

塗装が終わっても3時間くらいは室内に甘ったるいシンナー臭が残るので、家族がいる場合は屋内での作業は厳しいかもしれない。
3時間も臭うなら塗装中にマスクしても意味なくない?と思うかもしれないけど、メインは噴霧の吸い込みを防止するためなのでマスクはあったほうが良い。
また、ダストセンサーで計測したところ、塗装後30分は12μg/㎥と高値が出ていたので一応私はその間防毒マスクを着けていた。しっかり換気してて30分も経てば臭いはだいぶマイルドになってると思う。

健康被害については、業者が車の塗装等で長期間大量に吸い続けた場合に発生する程度のなので模型塗装くらいでそんなに神経質にならなくても良いという意見がある。

まぁ子供でも取り扱うものなので、そうだろうなと思う。

おわりに

今回塗装をしようと思ったきっかけは3つかある。

  • 3Dプリンターでどうしてもおこげが発生してしまうのでこれをカバーしたい。
  • 3Dプリンターで形状は自由に作れるようになったので、あとは色を自由にしたい。
  • 塗装の技術を身に着けることで、工作の幅を広げたい。

とにかく面倒くさそうなイメージがあったけど、やってみたら意外に楽しかった。
道具をしっかり揃えて、下調べをしておけばそれほど難しくはないと思うので、皆さんも興味があれば是非トライしてみて欲しいと思う。

以上

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