t-hom’s diary

主にVBAネタを扱っているブログ…とも言えなくなってきたこの頃。

安価な電流・磁界の実験キットを評価してみた

【注意】末尾に実験の危険性について触れたので、参考にされる方は必ず末尾を読んでください。

先日注文した中学理科の教科書が届いた。
連日数学ばかりでは飽きてしまうので気分転換に理科も併せて復習しようという狙いである。

特に電磁気学の基礎に興味があるので、何か簡単な実験から初めてみるかと思って実験キットを探してみた。
既にAmazonでは在庫切れになっていて商品リンクを張ることができなかったので内容はペライチの説明書きから抜粋。


オモチャクオリティなのだがセットで2,239円だったのでまぁ値段相応の中身である。

Amazonのレビューコメントでは磁石の極性がおかしいとかLEDがすぐに壊れたという報告が入っていたのでそのあたりをレビューしてみる。

実際に試してみると、ちゃんとSとNがくっつくので問題なさげ。

一応くっついただけではまだ全部逆という可能性も残っていたので、水に浮かべてコンパスが指す方向と比べてみた。

問題なさげ。


LEDがすぐ壊れたという報告だが、説明書きによると次のように乾電池2本に繋いでいる。

これを見てピンと来た。。これ、壊れるのでは?

一般的なLEDは最低1.8Vくらいから光りはじめ、2.5V~3V程度が最大定格となっている。
LEDは0.1ボルトの変化で輝度が大きく変わる繊細な部品で定格を越えて電圧をかけ続けるとすぐに壊れる。
一方で一般的な新品のアルカリ乾電池は1.62V程度。直列で2本繋げると3.24Vである。

つまり、乾電池1本だと電圧が足りずに光らず、2本だと電圧過剰でぶっ壊れるリスクがある。

ひょっとして抵抗か定電流素子が内蔵されているとか。。。

…やっぱ無い。ごくふつーのLEDだ。(マイクロスコープ)

直流安定化電源で少しずつ電圧をかけていくと、1.8V程度で光り始め、2.2Vで十分な輝度が確保できた。

うーん、やっぱ耐圧が3.24Vもあるとは思えないので抵抗器なしで直列に接続した2本の乾電池に繋ぐのはやめておこうと思う。
キット内の手回し発電機はどれだけ頑張っても2Vちょっとしか出なかったので手回しで実験すると良いと思う。


その他、4点の道具に若干品質の問題があるが、実験に大きな支障はなかった。

1点目は磁石の塗装はげ。

2点目はナイフスイッチの土台のプラスチックゆがみによるガタつき。

3点目はLEDボードの端子のナットズレ(これは直せるかも)による端子の傾斜。

4点目はモーター模型の不安定な挙動。接触不良なのか、動いたり動かなかったりする。手で回しているうちに復活したりするので接点復活剤とかでスムーズになるかもしれない。


まぁ本格的な理科実験装置としてこういうのを揃えると何万円という話になってくるので、二千円のキットでこれくらいの品質不良は許容範囲かなと思う。

さて、私がやりたかった実験はこれ。

ローレンツ力によって電極の間に置いた棒が転がる実験である。

ただこれだけのことなんだけど、本格的な実験器具はすごく値が張る。

たとえば。。。

電磁力実験器 16,000円。
www.monotaro.com

電気ブランコタイプ 27,000円。
www.monotaro.com

あとモーターモデルも不安定と書いたがちゃんとしたモーターモデルを買おうとすると。。

モーター原理説明器 56,000円。
www.monotaro.com


まじ??
電磁気学関連の実験器具、高すぎないか?

ということで今回買ったものは全体的に安っぽくて若干の品質不良を抱えているものの、2,000円でセット品として購入できるという時点で相当コスパが良い。

その他面白かったのは電気ベルの実験


電磁石でベルにハンマーを引き付けてカーン。。ってのを想像してたけど違った。通電中、ジリジリとなり続ける。
仕組みとしては下図のとおり。

へぇ、作った人頭いいなぁ。


さて、ここまで高評価したキットであるが、子供に与えて放置するのは危険である。
抵抗器の概念がないので基本的には電気ショートに近い状態になる実験が多く、放置すると部品が発熱して火傷する危険性が出てくる。
スイッチを入れて3秒くらいで観察したらすぐにスイッチを切った方が良い。

ローレンツ力の実験でも3秒通電したシャフトを触るとかなり熱くなっていた。

そのため、子供と一緒に実験する場合はまず親が知識を付けて、どうすると安全なのか、何が危険なのかを把握したうえで目を離さないようにする必要があると思う。

以上

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