パソコン好きな方は一度は自作を考えたことがあると思う。
自作マニアが良質な記事をたくさんあげている中で、人生でまだ3台しか作ったことがない私がこんな記事を書くのもどうかと思うんだけど、まぁ作ったからには語らずにはいられない、それが自作PCというものである。
私が感じたPC自作のメリットとデメリット
メリット
コストパフォーマンスの良いPCを作れる
これはある程度のパフォーマンスを求めた場合に、パフォーマンスの割には相対的に安いという意味であって、絶対的な価格が安いというわけではない。
YouTubeくらいしか見ないという方にはむしろ高くつく。
3Dゲーム・動画編集・機械学習・仮想通貨マイニング・3Dレンダリング等の重い処理をしない場合はコスパは感じられないと思う。
見た目に拘ることができる
ケースが自由に選べるのが大きい。ただ拘ると高くつくので予算に余裕がある方向け。
ケースは五千円~五万円くらいまでピンキリだけど、私が好きなのはシンプルな白いNZXTのケース。
スペック不足を感じた時にある程度の拡張性がある
ある程度というのがポイント。嘘ではないんだけどちょっと勘違いさせがちな誇張も見られるので注意。
メモリやSSDは簡単に増やせるんだけど、CPUは基本的に同世代の上位モデルのみ、グラボも制限はないけどCPU性能が低いと性能を十分に発揮できないのでCPUの世代交代が進んでいくといつかは対応マザーボード・対応CPU・グラボを交換することになると思う。
とはいえ既製品に比べればかなり自由が利く。
デメリット
高い
既製品が10万以上してたころは作ったほうが安いなんて噂もあったけど、今は安ければ3万くらいで売ってるので動画視聴用とかなら買ったほうが安い。
面倒くさい
パーツをはめ込むだけだから簡単と思ってたら結構時間かかる。
初めての場合は2時間が目安らしいけど、キットでマニュアル完備ならともかく、自分で部品をそろえた場合は3~4時間みといた方が良い。
これは一応デメリットとして挙げておくかというレベルではなくて、マジで面倒くさい。
特に1台目は勝手が分からないなかマニュアルも不親切でよく分からないし、ケース内は暗くてよく見えないし、力加減分からないし、解説動画を途中停止しながらがんばることになる。
ただ裏配線のコツをつかんで綺麗にできるようになると楽しくなってくる。
デカいので邪魔
基本的にデスクトップなので大きい。
初めて組む人はコンパクトなサイズに憧れがちだけど、手が入らなくて作業性が悪いし、熱が籠りやすくてハイスペックに向かないし、拡張スロットも少ないので自作のメリットである拡張性を享受しにくい。ので、あんまりおススメしない。
ミドルタワーサイズがおススメだけど、金に糸目をつけずハイエンドを組みたいという場合は最初からフルタワーが良いかもしれない。
グラフィックボードはファン数が多いほうが冷えるけど、3連ファンの大きなグラボだとミドルタワーで入らないケースがある。
パーツ故障時に困る
既製品が壊れたら、「壊れた、直してくれ」と依頼すれば済むんだけど、自作の場合パーツごとにパーツメーカーとやりとりになるのでとても面倒くさい。こういう症状なら多分この部品って感じで当たりをつけたり、自分で診断したりできない場合はPC専門店に診断をお願いすることになるが、診断料金だけで1万円くらいするようだ。
support.tsukumo.co.jp
まぁトラブル対応は自分で調べれば知識も付くし、その辺も含めて自作の面白さではあると割り切るしかない。
一応、金をつめば救済措置はあるよって話。
パーツの選び方
初めての場合、一番のおススメはキットを利用すること
以前はドスパラで自作のキットを取り扱っていたので私はそちらを利用した。
残念ながら今は販売終了してるようだが、似たようなサービスを展開しているショップがあるのでそういうのを利用すると良いと思う。
(参考)PCデポ
www.pcdepot.co.jp
予算と用途を伝えて基本構成を店員に選んでもらうのもアリ
ショップの選び方
家電量販店も最近はPCパーツコーナーがあるけど、あまりお勧めはしない。
店舗によっては詳しい人がいたりもするんだけど、販売員の知識面でどこまで力を入れているのか分からない為。
個人的にはツクモの対応が良かったのでお勧めしておく。
予算を考える
最低ラインがOS込みで10万円。(モニターは別)
やりたいことが明確で必要スペックを熟知している場合は更に抑えられると思うけど、知識が無い場合はおススメしない。
10万のPCなら、3Dゲームも画質をすこーしだけ落とせばそこそこ動く。建築要素がある3Dゲームとかだと、描画オブジェクトが増える後半でラグが増えてくるけどまぁ我慢すれば遊べるといった感じ。マイクラは素の状態なら余裕で動く。影MODも軽量なやつなら結構さくさく動く。巨大建築は厳しいかもしれないけど。
といってもこれ2017年購入の10万円PCの話なので、今の10万円だともうすこし良いスペックかもしれない。
3Dゲームを高画質で快適に遊びたいなら最低15万円。更に見た目も拘りたいなら20万円といったところ。
店員に選んでもらう
予算がいくらでやりたいことがコレって言えばバランスよく構成してくれる。
あとは今使っているPCがあれば構成と不満点(≒強化したいところ)を伝えると良い。
パーツに拘りがあればそれも伝えると良いけど、知識がなければCPU・GPU・電源・メインボードなどで特定の部品を限定して伝えるのはあんまりおススメしない。
PCは部品同士のスペックバランスがとれてはじめてパフォーマンスを発揮するので、求めるゲームスペックでGPUとメモリ容量が決まり、GPUとのバランスでCPUが決まり、CPUによってマザーボードが決まり、それらの消費電力で電源容量が決まるという風に色々関連しているので下手に口出してバランスが崩れても性能を発揮できない。
見た目の好みと使用シチュエーションの詳細や、将来的な拡張予算や何年使うつもりか等よくコミュニケーションをとりつつ、基本的にはプロにお任せのほうがバランスよく仕上がる。
どうしても自分で選びたい場合
まずは「10万円 ゲーミング 自作PC」「10万円 動画編集 自作PC」等と検索してみると構成を紹介するサイトが見つかるので、それを丸っとパクって仮構成とする。
やりたいゲームや動画編集ソフトの公式サイトから、推奨スペックを確認する。
(必要スペックはあまり参考にしないほうがいい。基本的には、色々我慢すれば動くけどちょっとしんどいよ?って意味なので、ゲームだと最低画質で何とか。通常画質だとすこしカクつく、最高画質だと落ちるかゲームにならない。)
次に性能比較サイトで仮構成のCPU・GPUの位置づけを見る。
btopc-minikan.com
pcfreebook.com
予算と相談してアップグレード・ダウングレードを検討する。
使用したいソフトの推奨スペックを下回らないように注意。また最近のゲームはオンラインでパッチが適用されて機能強化によって重たくなることもあるので少し余裕を見ておきたい。
CPUとGPUのバランスは以下のようなサイトでチェックできる。
bablishe.com
CPUが決まったら対応するマザーボードを選ぶ。
PCに詳しくないとなんでもいいんじゃないかと思いがちだけどマザーボードは対応CPUが明確になっているので使えるマザーボードの種類はCPUのメーカーとCPUの世代で決まる。あとケースをミドルタワーにするならマザーボードのサイズはATXが良い。小さいのも入るけど、あえて小さくするメリットはない。
マザーボードは拡張性を決める部品だけど、性能という意味ではあまり差を感じにくい。
1~2万くらいのもので十分と言われているのでCPUに対応する比較的新しいものであれば、個人的には何でも良いんじゃないかと思う。
拘る必要があるシチュエーションはこんな感じ。
- Wifi機能が欲しい
- グラボ2枚指したい
- 光らせたい
- USBポートが沢山ほしい
- CPUをオーバークロックしたい
- 次の世代のCPUにアップグレードする可能性がある
初期構成としてSSDは最低500GB、メモリは16GBあると安心。
あとハードディスクはお好みで。
CPUクーラーは純正でも良いけど中が見えるケースだとダサいのでお好みで。
電源容量は以下のようなサイトで計算できる。
www.dospara.co.jp
最後にケース。これもマザーボードが入ればなんでも良いんだけど、あとは好みと前面パネルのインターフェース(USBポートとか)で決めれば良いかと思う。
まぁそうやって自分で選ぶのは楽しいけど、失敗しない為にはやはり構成を書きだしてショップにもっていって最後バランス調整を依頼したほうが良いと思う。予算もう少し足せるので強化するとしたらどこ?とか、予算オーバーしたいので削るとしたらどこ?といった相談ができる。
組み立て
組み立ては正直なところ面倒くさいし、最初は全然楽しめなかった。
1台目で何が一番嫌かというと、力加減が分からないこと。結構取り付け・取り外しが硬い部品があって(特にケース)、取れないけどこれ以上力入れて大丈夫か分からない。バキって音がしたけどこれで正解だったとか、逆に壊れたとか色々とトラブルが起きる。
あとコネクタが硬かったり最後カチって音がしないのでこれで刺さってるかどうか分からないのがあったり、なんかモヤっとするシーンが多かった。
まぁ2台目・3台目ともなれば「こんなもんだ」というのが感覚でわかるのでそれほど苦でもないんだけど。
最近はYouTubeとかで組み立て動画があるので、初めての方は説明書だけじゃなくて動画をよく見ながらやると良いと思う。
配線は最初はしんどいだけなんだけど、ケースの設計を理解して綺麗に配線できるようになるとそこそこ楽しくなってくる。
私の自作経験
1台目はドスパラのキットでこんな感じの構成だった。
ゲーム性能としてはマイクラの軽量影モッドがそこそこ動くかなといった感じ。あとCities Skylinesも序盤はサクサク。後半はCPU不足で車の移動速度がかなり遅くなる。Satisfactoryが30FPSくらいなので滑らかではないけど動く感じ。
一応ゲームも楽しめるしまぁ悪くは無かったんだけど、1点割と不満だったのがケースのデザインが安っぽくてダサいこと。
それでケースだけ買うつもりで探してたらNZXTシリーズを発見し、片面ガラス張りで中身が見えるため他のパーツも拘ることに。
そして考えたのが次の構成。
予算を20万円ほど確保してとりあえず売り切れ間近だったマザーボードとケースを確保。
さっき書いたパーツの選ぶ順序と全然違うけど、見た目超重視だったのでケース→マザーと選んだあとに1台目からデグレしない程度のパーツを購入予定品に選定し、その後にアップグレード要件と実際の候補を選んだ感じ。)
あとは店員に予算を伝えてバランス見てもらい、CPUはIntel Core i5 9600KF、グラボはNvidia GTX 1660 Super、あとは全部アップグレードしても予定どおり17万円くらいにおさまったのであまった予算で見た目重視のNZXT製の簡易水冷クーラーを購入した。
これが今のメイン機。
3台目は2台目が故障して起動しなくなった際にメモリか・メインボードか・CPUか電源かと切り分けるために別のパーツを購入。どうせならもう1台組んでしまえば。。そうだRyzenにしよう!というノリで作った。結果、どれ変えても直らずグラボのせいでしたというオチ。
3台目はしばらく和室において使ってたけど利用が定着せず結局2台目の再故障に備えたバックアップとして押入れで待機中。
まとめ
- 面倒だけど楽しい
- 金がかかる
- 全部自分で決めなくていい、プロに相談しよう
以上